こんにちは、神経系ストレッチバイストKOBEです。
当店には神経系ストレッチとコンディショニング、大きく分けて2種類のメニューがあります。
初めて来られる方でメニューの違いがわからないとお問い合わせいただくことがありますのでそれぞれのメニューの内容について説明していきます。
今回は神経系ストレッチについてです。
神経系ストレッチとはSSS代表取締役の兼子ただし考案の新しいストレッチ方法です。
従来の筋肉や身体を緩めるマッサージや整体とは異なり、アメリカ発祥のリハビリテーション療法をベースに神経にアプローチして慢性疼痛を改善させ、身体を動かしやすくすることに特化したストレッチ方法が神経系ストレッチです。
慢性疼痛という言葉の意味をご存じでしょうか。
国際疼痛学会(IASP)によると慢性疼痛とは「治癒に要すると予測される時間を超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関連する痛み」と定義づけられています。
慢性疼痛はレントゲンやMRIを撮っても原因が特定できず、痛み止めや湿布によっての対症療法が一般的なのが現状です。
痛みの場所が特定できない、移動する、約3ヶ月以上続く等の症状がある場合は神経が圧迫されたり、ズレることで痛みが生じている場合がほとんどです。その原因としては姿勢不良が挙げられます。
従来の筋肉のみをストレッチする方法では根本的な慢性痛の改善にはならないため、姿勢の改善にも繋がらず、一時的に楽にはなるが時間が経つと身体は痛いままの状況になりやすいです。
神経系ストレッチでは、痛みを引き起こしている神経に直接アプローチすることで根本治療を目指していきます。
また、整形外科疾患による痛みも、長期的に続いている場合は神経由来の症状が痛みの原因となっている場合があります。当店スタッフは理学療法士の資格を所有しているため、身体や疾患に対する知識と神経系ストレッチを組み合わせて1人1人に最適な施術を行います。
もう手術するしかないと言われた方も是非一度試していただきたいです。
冒頭で神経系ストレッチはアメリカ発祥のリハビリテーション療法をベースにしていると書きました。そのベースになっているものは神経系モビライゼーションという手技です。
ここからは神経系モビライゼーションについてです。
神経系モビライゼーションは、身体運動に伴う関節運動に対して、神経系の機能を損なうことなく適応できる状態を目指すという考え方です。その結果、痛みや痺れの軽減が期待できるということです。
神経系モビライゼーションの目的とは①疼痛、異常感覚の軽減②神経の機械的機能の改善③神経結合組織の成型④神経内の血流改善⑤機械感受性の改善です。
神経系モビライゼーションでは電気的信号を伝える伝導路を連続する1つの機関と捉え、その中のどこに問題があるかを調べていきます。
末梢神経系は阻血状態に非常に弱く、血液循環の変化に影響を受けます。
具体的には、血液循環の変化に対して末梢神経系の軸索が損傷を受けやすいです。神経を支配する神経内血管はコイル状を呈しているため、神経が伸張されても血管は伸張されません。そのため、通常の運動では神経への血流は維持されます。神経が8%伸張すると静脈流が減少し、15%伸張されると神経内外の血流が遮断されます。たとえわずかな伸張でも持続時間が長くなると虚血状態に陥り、6%の伸張が1時間続くと神経伝導性は70%に低下すると言われています。
神経は身体運動へ適応しなければなりません。動きの始めに起きるのが滑走、動きの最終域に起きるのが伸張です。滑走と伸張、この2つの適応が身体運動に応じて適切に行えているかを評価していき、どちらに問題が生じているかで治療のアプローチも変わります。
滑走と伸張それぞれの適応について
まず滑走による適応は神経系とインターフェースとの間の滑走という神経外のものと神経束間の滑走という神経内のものがあります。伸張による適応はゴムのように伸びて生じる適応のことです。
関節運動に対する適応としては、先ほど述べたように可動域の最初に滑走での適応が行われ、最終可動域では伸張による適応が行われます。
例えば、SLR(Straight Leg Raising)という動きでは0~35°で坐骨神経の緩みが無くなります。35~70°にかけて滑走による適応が生じ、70°以降では伸張による適応が起こります。
滑走の阻害因子としてメカニカルインターフェースというものがあります。
メカニカルインターフェースとは神経系に隣接する組織または物的に接触している領域のことで、これらは神経系に関わりなく動きます。具体的には手根管、足根管、椎間関節などです。また、整形外科疾患などによるもので骨棘や瘢痕組織、神経周囲の浸出液や血液といったものもメカニカルインターフェースとして挙げられます。これらの組織と神経との間の滑走が不十分な場合に神経症状が生じるということです。
インターフェースの圧迫により血流障害が生じ、低酸素状態になることで浮腫や神経内の線維化を招き
これらがまた圧迫の原因となる悪循環が起きます。
夜間に痛みが出やすい人もいると思います。就寝時は副交感神経が優位になり血圧が低下します。血圧が低下することで神経への血流が遮断されやすくなるため、神経に対する機械的刺激の閾値が低下し、痛みとして感じてしまうのです。
滑走と伸張、これらに対する治療としてスライダー(滑走を起こす)とテンショナー(神経を緊張させる)
があります。
スライダーは神経に緊張を与えることなく、神経を動かすことができ、神経滑走機能の低下に対して適応があります。スライダーによって、浸出液の移動、静脈流を高め神経組織の酸素化の促進、中枢レベルでの疼痛抑制という効果が期待できます。
テンショナーは神経伸張機能の低下に対して適応があり、神経の粘弾性や生理的機能を改善することができます。そうすることで緊張に対する感受性の低下、神経組織の粘弾性の改善が期待できます。
神経系ストレッチはスライダー、テンショナーはもちろん直接神経にアプローチする独自の手技も加えた、他にはない新しいストレッチ手技の方法となっています。
神経系ストレッチについて簡単ではありますが書かせていただきました。
心当たりの症状がある方や是非1度体験したいという方がおられましたら当店で神経系ストレッチをお試しください。
次回はコンディショニングについて説明していきます。